Womanネットワークプログラム

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Womanネットワークプログラムに参加された1,2 期の修了生に「あなたらしく、生きる」をテーマにお話を伺いました。第一回目は、ウーマンネットワークプログラム1期生の「湘南こころの保健室Join」の青木亜里さんのWoman’s Storyです。

様々な個性や特性の人々が
「自分を改めなくても気楽にいられる」と感じられるようにしていきたい

PROFILE

東京都生まれ、神奈川県育ち。大学で心理学を学んだ後、「悩みごとが専門家に相談するような問題になる前に、普通の生活の中で解決できたら良い」との思いから、学校の保健室の先生になる道を選んだ。その後、わが子の不登校などを経験し「少数派の生きづらさの解消につながる仕事をしたい」と考え、心理職に転向。児童相談所、スクールカウンセラー、幼児療育施設、メンタルクリニックなどで勤務した。心理臨床の仕事をする中で「こんなに悩みや傷つきが深くなる前に対処すれば、もっと楽に回復できたのでは…」という思いは年々強くなり、予防的なケアを重視する心理支援を行う場として「湘南こころの保健室Join」を開設した。

心理支援サービスにつながるまで、ハードルが高過ぎると痛感していた

  • --新しく事業に取り組もうと思ったきっかけを教えてください。

    スクールカウンセラーとして校内で会った生徒と話す時に「お前みてもらった方がいいよ」「嫌だよ、お前こそ」と言い合う場面を何度も見てきました。「カウンセラーとは絶対に話したくない」と泣いて拒む生徒もいました。クリニックでお会いした患者さんには「以前、勇気を出してカウンセリングに行ったら『あなたがいけない』と言われてつらかった。必要と思いながらも来づらかった」と話す人もいました。

    心理支援サービスに初めてつながるまで、そしてうまくいかず次へつながるまでも、ハードルが高過ぎると痛感していました。つながるためには『一線を超える』覚悟が必要とされるような、従来の心理支援のあり方に疑問を感じたのです。

  • --事業のミッションとそのために大切にしていることを教えてください。

    ミッションは「普通の生活の中で、自然な方法で心の健康を守ることができ、大人が安心して子どもを見守れる世の中にする」ことです。精神科での投薬や心理療法などの専門治療を必要としない段階で、自分でメンタルヘルスを保つ方法についての相談や学びの場として「こころの保健室」を立ち上げました。以前の仕事である学校の保健室の先生の立場の時にも医療行為は行えず、「手当て」の範囲でできる工夫を探した経験が役立っています。

    大切にしていることは、その人がもともと備える自然治癒力を活かすことです。その人の中にある答えに辿りつくために、手がかりを教えていただきながら共に探していく対等なパートナーになれるよう努めています。

--事業の将来像はありますか?

セラピストに治してもらうのではなく、自分で予防やケアをする力が身につくような心理支援とその価値の普及です。私の支援を短期間で終えるために、重症化する前につながれる身近なサービスとしての、アクセスしやすさも重視しています。

課題の1つは健康保険が利用できず、個人の負担が大きい点です。福利厚生としてカウンセリングを利用できる「従業員支援プログラム(EAP)」という制度をご存知でしょうか?大企業や公務員の方の利用は進んでいますが、中小の法人ではまだ導入されていないところが多いです。人手不足で、過労やうつのリスクはどの職場でも高まっています。今後は地域の職場を支援する心理サービスの道筋も探っていきたいです。

ウーマンネットワークプログラムでは、
「自由に、自分のままでやりたいことをしていい」と思える話で溢れていた

  • 心理検査の様子

  • --ウーマンネットワークプログラムに参加したきっかけを教えてください。

    「やりたい仕事をできる職場が未だ存在しないなら創るしかない」という思いと、「子育ても専門性も道半ばの自分が開業なんて、ワガママかつ誇大妄想なのでは?」という思いの間で揺れていました。自分はおかしいのかもしれないと恥じてもいました。けれど「もし明日、余命宣告をされても後悔しないように生きたい」という思いは消えませんでした。

    そして「今私がいる環境では『やりたいようにやろう』と思う女性が少数派だから、不安になるのかもしれない」と考えました。私と同じような生き方を求める人たちと出会えたら、「こんな風に考えてもいいのだ」と安心し自分を受け入れられるのではないかと、ウーマンネットワークに期待していました。

  • --ウーマンネットワークプログラムに参加してみてどうでしたか?

    楽しかったです! ウーマンネットワークプログラムでは、まずは講師の方々の生き様のお話をお聴きしました。「自由に、自分のままでやりたいことをしていい」と思える話で溢れていました。それから参加者が自分の物語を言葉や映像でカタチにして、最終日に「所信表明」として発表し合いました。参加者の皆さんの物語のそれぞれに、意気に感じる点が多く高揚感や一体感を味わいました。発表が濃密だったのもあり、その後の語り合いの時間が僅かだったのは残念で、もっともっと話していたかったです。 今をもう少し良くしたり、誰かの暮らしを楽しくしたり、何かを変えたいと思っている女性が同じ町にこんなにいるのだとわかり、心強く感じました。

  • 自然の中を歩きながら話すwalk&talkセラピー

  • --プログラムへの参加をきっかけに、取り組んだことや変化はありましたか?

    妄想を現実化し、本当に開業してしまいました(笑)。私は昔から、人と同じように無難に常識的に振舞うよりも、自分が面白いことをしたいと思う方でした。そんな私を周りの人が心配したり、たしなめたりすると「自分はダメなやつだ」と自信をなくし、逆に面白がられると「まあいいか」と気が楽になりました。周囲の人たちの反応次第で自分が弱気にも元気にもなることを、このプログラムでも再体験しました。

    私は、様々な個性や特性の人々が「自分を改めなくても気楽にいられる」と感じられるようにしていきたいのです。医療やカウンセリングの場に来なくても、普通の生活の延長線上で、そう思える世の中に近づけるよう貢献したいと思っています。

--プログラムに参加しようと思っている方に向けて一言

他の創業セミナーとの違いは、知識や技術を教わる講座ではなく、人と出会い刺激を受けながら自分の生き方を考えて表現していくプログラムである点だと思います。参加者となる皆さん自身が、誰かの教材でもあり、同志でもある…。そんな関係性で人と出会える機会は、大人になってからはあまり無いと思います。 心を動かす人との出会いや、自分らしい自分と出会うことを、ぜひ楽しんでください。

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平塚市産業振興課

TEL:0463-21-9758

平日8時30分から17時00分まで

FAX:0463-35-8125

E-mail:sangyo-s@city.hiratsuka.kanagawa.jp

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